ひと足先に旅を始めた新型ハイラックス。ニュージーランドから届いた一台

ニュージーランドの山あい。

朝霧が流れる草地に、一台のハイラックスが停まっている。

荷台の上では、FELDON SHELTERのルーフトップテントが開いている。

停まった場所が、そのまま寝室になる。

この車を新たに組み上げたのは、ニュージーランド各地を旅しながら、4WD、キャンプ、装備、ルートの情報を発信しているOverland NZ(@overlandnz)。

日本でも発売されたばかりの新型ハイラックスは、ニュージーランドではすでに、次の旅を始めている。

今回はOverland NZの新しい一台を通して、先代モデルから変わったこと、日本とニュージーランドで異なる仕様、そして旅のための車づくりを見ていきたい。

ニュージーランドのグラベルロードを走るOverland NZの新型ハイラックスSR5と収納状態のルーフトップテント


車旅の聖地、ニュージーランド

FELDON SHELTERを以前からご存じの方には、もう馴染みのある話かもしれない。

ニュージーランドの人口は、およそ530万人。

羊は約2360万頭。

今も、人の数を大きく上回っている。

都市を離れて車を走らせると、山、森、草原、海岸線が次々と現れる。

舗装路から一本外れれば、グラベルロードがその先へ続いている。

朝は霧に包まれていても、しばらく走れば陽が差し込み、少し先ではまた景色が変わる。

走る場所があり、停まる場所があり、短い距離の中で自然の表情が変化する。

オーバーランドという旅が、この国に深く根づく理由がある。

Overland NZは、旅の記録から始まった

Overland NZの構想が生まれたのは、ニュージーランド北端のCape ReingaからWellingtonへ戻る長いドライブの途中だった。

当時、ニュージーランド国内には、オーバーランドに特化した情報がほとんどなかった。

自分たちが見てきた景色や、走ってきた道を通して、この国をもっと探索したくなるような情報を届けたい。

その思いから、Overland NZは2018年初頭に活動を始めた。

写真、動画、旅の記録、車両のビルド、装備の使い方。

製品だけを切り取るのではなく、実際の旅の中で、道具がどのように使われるのかを伝えてきた。

今回の新型ハイラックスも、展示するためだけのデモカーではない。

次の場所へ向かうために組み上げられた、新しいリグだ。

ニュージーランドの山あいでFELDON SHELTER HAWK'S NEST V2を展開したOverland NZの新型ハイラックスSR5モデルgun226


先代モデルから新型へ。変わったのは見た目だけではない

日本でも発売された新型ハイラックス。

フロントマスクの印象が大きく変わったことで、まず目に入るのは外見かもしれない。

けれど、旅の道具として見ると、中身の変化の方が気になる。

項目 先代ハイラックス(GUN125) 新型ハイラックス(GUN226)
エンジン 2.4Lディーゼル 2.8Lディーゼル
最高出力 150PS 204PS
最大トルク 400Nm 500Nm
WLTCモード燃費 11.7km/L 11.9km/L
リヤブレーキ ドラム式 ディスク式
最小回転半径 6.4m 6.3m

最高出力は54PS増加。

最大トルクは100Nm増加している。

ルーフトップテントやキャノピー、キャンプ道具を積んで遠くまで走る車として考えると、この差は小さくない。

高速道路を巡航するとき。

坂道を登るとき。

舗装路を離れ、グラベルへ入るとき。

荷物を積んだ状態でも、無理なく走れる余裕が増えている。

リヤブレーキも、先代モデルのドラム式からディスク式へ変わった。

これは、単純に「ブレーキが強くなった」という話ではない。

ドラム式には、少ない力で大きな制動力を得やすいという利点がある。

一方、ディスク式はローターが外気に触れているため、ブレーキをかけたときに発生する熱を逃がしやすい。

特に長い下り坂や、荷物を積んだ状態でブレーキを繰り返す場面でも、熱がこもりにくく、安定した感覚を保ちやすい。

さらに新型では、ラダーフレームの剛性バランス、フロアパネル、サスペンション、ステアリングも見直された。

フロアパネルのスポット溶接は36カ所追加。

電動パワーステアリングの採用により、低速での取り回しや、オフロード走行時に路面から伝わる不要な振れの軽減も図られている。

昔から変わらないハイラックスらしさを残しながら、遠くへ行くための余裕と快適性を積み重ねた一台になっている。

ニュージーランドで展開される新型ハイラックスBEVのダブルキャブモデル


同じ新型ハイラックスでも、日本とニュージーランドでは少し違う

写真に写っているのは、日本仕様のハイラックスではない。

Overland NZが選んだ、ニュージーランド仕様の2026 Toyota Hilux SR5だ。

日本で販売される新型ハイラックスは、ZとZ “Adventure”の2種類に絞られている。

一方、ニュージーランドでは、ディーゼルと48Vマイルドハイブリッドディーゼルだけでも、合計12種類の仕様が用意されている。

2WDと4WD。

マニュアルとAT。

通常のディーゼルと、48Vマイルドハイブリッドディーゼル。

シングルキャブ、エクストラキャブ、ダブルキャブ。

荷台付きだけでなく、用途に合わせて架装するためのキャブシャーシも選べる。

農場や建設現場で道具を運ぶ。

荷物を積み、トレーラーを牽引する。

平日は日常の移動に使い、週末は家族や友人と遠くへ出かける。

ニュージーランドでは、ハイラックスは仕事のためだけの車でも、遊びのためだけの車でもない。

まさに、遊びから仕事まで幅広くカバーするための一台だ。

だからこそ、使う人の暮らしに合わせた選択肢が必要になる。

さらに、ニュージーランドではBEV仕様のハイラックスまで加わった。

仕事の道具として長く使われてきた一台が、電動化によってどこまで変わるのか。

この話は、また別の記事で紹介したい。

ニュージーランドの草地を走るOverland NZの新型ハイラックスSR5と収納状態のHAWK'S NEST V2

Overland NZが選んだSR5マイルドハイブリッド

Overland NZが選んだSR5は、2.8Lターボ・マイルドハイブリッドディーゼルと6速ATを組み合わせた仕様。

最高出力は150kW、最大トルクは500Nm。

日本仕様には設定されていない、48Vマイルドハイブリッドを搭載している。

減速時に回収したエネルギーをバッテリーへ蓄え、発進時にはモータージェネレーターが走り出しを補助する。

最上位のAdventureではなく、布シートのSR5を選び、そこへ旅に必要な装備を加えている。

足元にはKenda Klever RTタイヤとAlpha Brawlerホイール。

荷台には、ニュージーランドのM2 Overlandが手がけたArtemis canopyとルーフラック。

その上に載せられたのが、FELDON SHELTERのHAWK'S NEST V2 STANDARD Greenだ。

完成された上級グレードを、そのまま見せるための一台ではない。

どこで使い、何を積み、どこへ眠りに行くのか。

その目的から逆算して組み上げられた、旅の土台だ。

車両が変わっても、FELDON SHELTERと旅をする

Overland NZがFELDON SHELTERを使うのは、今回が初めてではない。

以前使用していた2013年式ハイラックスにも、FELDON SHELTERのCROW'S NEST EXTENDEDが載せられていた。

その後、フォーチュナーでの旅を経て、再びハイラックスへ。

新しい車両には、HAWK'S NEST V2 STANDARD Greenが選ばれた。

HAWK'S NEST V2は、ニュージーランドで考えられ、現地の環境で使うことから設計されたルーフトップテントだ。

フルアルミニウム製のシェル。

マリングレード316ステンレス製の部品。

ラッチを開けば、30秒未満で展開できる。

日差し、雨、塩分、砂、雪。

環境が変わる中で繰り返し使うことを前提に、素材と構造が選ばれている。

細部には、日本製のYKKファスナーも使われている。

ニュージーランドで考えられ、日本のものづくりも組み込まれた道具が、現地の景色の中で使われている。

遠く離れた国のブランドでありながら、どこか身近に感じられる理由のひとつかもしれない。

車両が変わっても、旅の中で使われ続ける道具がある。

今回のビルドは、新しい製品を載せたというだけではない。

ニュージーランド各地を走ってきた経験の延長にある。

装備を増やす前に、使う景色を考える

旅のための車づくりは、装備を増やせば完成するわけではない。

ニュージーランドの広い道を走る一台と、日本の日常で使う一台では、考えるべき条件も少し変わる。

荷物をどこに収めるか。

重さをどの位置で受けるか。

普段使う駐車場に入れる高さに収まるか。

旅先だけでなく、いつもの生活まで無理なくつながっていること。

それも、長く使える一台をつくるための大切な条件になる。

夕日の中でFELDON SHELTER HAWK'S NEST V2を展開したOverland NZの新型ハイラックスgun226


どこへ眠りに行くか

ニュージーランドの旅が教えてくれるのは、装備を増やすことよりも先に、どこへ行きたいのかを思い描くことの楽しさだ。

新型ハイラックスが、その一台になるかもしれない。

今乗っている車にルーフトップテントを載せることが、最初の一歩になるかもしれない。

朝霧の草地で迎える朝は、地球の反対側だけにあるものではない。

次は、自分の地図の上で。

よくある質問

日本仕様とニュージーランド仕様の新型ハイラックスは同じですか?

基本となる車両は共通していますが、選べる仕様は異なります。

日本ではZとZ “Adventure”の2種類ですが、ニュージーランドでは、ディーゼルと48Vマイルドハイブリッドディーゼルだけでも、用途に合わせた合計12種類の仕様が用意されています。

Overland NZが使用しているSR5は、48Vマイルドハイブリッドディーゼルを搭載したニュージーランド仕様です。

Overland NZの新型ハイラックスに載っているルーフトップテントは何ですか?

FELDON SHELTERのHAWK'S NEST V2 STANDARD Greenです。

フルアルミニウム構造のハードシェル型ルーフトップテントで、30秒未満で展開できます。

Overland NZについて

Overland NZ(@overlandnz)は、ニュージーランド各地の4WD、キャンプ、ルート、装備に関する情報を発信しているオーバーランドメディアです。

活動を始めたのは2018年初頭。

ニュージーランド北端のCape ReingaからWellingtonへ戻る長いドライブの途中で、構想が生まれました。

製品単体を見せる広告ではなく、写真、動画、旅の記録を通して、実際に使う中で道具がどのように役立つのかを伝えています。

走行ルートや滞在場所を探せるOverland Navigatorも展開しています。

Instagram:@overlandnz
YouTube:Overland NZ TV
Website:Overland NZ

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